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落ちた

どうやら若手俳優とバンドマンが好きらしいです

舞台「赫い月」を観た(ゴリゴリネタバレ)

思いっきりネタバレしているので、これからご観劇なさる方はご注意ください~!後日公演が全て終わったら改めて編集したいです。

 

2017年1月18日、19時開演 エムキチビート主催 舞台「赫い月」初演見てきました。Bくんが主演なのです。わかりますね。彼がBくんです。

開演前に不死身の宇宙飛行士さんがアナウンスに合わせてジェスチャーしてて、すごくかわいかったです(照)携帯を膝でカチ割るジェスチャーは草不可避でした。

映像や光、音を使った演出がすばらしかったです(こなみかん)ごめんなさい、技術的なところはあんまりわかんないんです。

 

 

ここから物語についてグイグイネタバレしておりますゆえ。台本の中身にも触れています~。かまへんかまへんという人はどうぞ!

 

 

戦時のクーデター・宮城事件をもとにしたお話なのですが、わたしたちは敗戦・定刻通りの玉音放送が行われることがわかっているだけに、戦争を続けるために駆けずり回って喉が裂けそうなほど叫んでいたその姿が痛々しくて見ていてつらかったです。

わたしの祖父は戦時前線には出ない軍属(事務官的な感じ?祖父は法務関係の国家公務員でした)という扱いで戦争を経験していたらしく、どんな気持ちで戦争を経験し、どんな気持ちで玉音放送を聞き、どんな気持ちで戦後を過ごしたのかな、と考えてしまいました。祖父はわたしが生まれるよりもずうっと前に亡くなっているので、一度もその話を聞いたことがありません。

 

 Bくんのことを普段からわたしは「かわいい」「弟にしたい」と思っていたのですが、今回のBくんはすさまじく骨太な男だった…いやたまに服から浮き出る体のラインが細すぎて心配になったけど物理的な意味じゃなくて…かっこよかったです。いつもの爽やかなイケメン感もいいんですけど、そこに彼は生きていたっていう感じがにじみ出ていました。紛れもない生を感じました。

ウィキみた限りだと、トウゴは架空の存在みたいですね。

もう最初の方からトウゴのADHD感がすごくて「まさか?」と思っていたら台本の最後に脚本家さんが名言されていました。ADHDだからこそ、あそこまでまっすぐ祐子様との約束を守り、生きて赫い月に進めたのかなあと思います。あれは別に意識的に行っているんじゃなくて、自分の中で正しいとか正しくないとかそう意識もなくて、本当に気持ちの赴くままに過ごした結果なんだな。トウゴにとっては戦争に負け、仲間が自決していって、それでも生き延びてしまって、罪悪感と後悔に苛まれながらも自分の妄想の中の祐子様との約束を守ることは、彼なりの罪滅ぼしだったのかなあ。罪滅ぼしなんていう意識もなかったかもしれませんね。台本はまだ全部は読んでいませんので、これから見る残りの公演に合わせて少しずつ自分の中で読み解いていきたいなあ。

 

そして、祐子様とトウゴの最後のシーンがものすごく愛おしくて、「大好きです」の優しい声に涙が止まりませんでした。トウゴらしい、とてもまっすぐで素直で飾り気のない告白。そしてそして、ラストシーンは泣かずにはいられないわけですよ…わたしもおじいちゃんに会って話を聞いてみたかったなあ。

 

あすかちゃんの不妊設定はいったい何の意味があったのかな、と考えたときに、「トウゴが毎日を生きること」=「赫い月に向けて全力で徒歩で進むこと」であり、月にたどり着くには4000年以上必要で、トウゴがそれを実現するためには子孫を残して続けていくしかなくて、でもあすかちゃんは子供が残せない体で。ただ赫い月にたどり着くために毎日を生きてきたトウゴにとって赫い月は生きるための魔法であり、死ねない呪いであったのかもしれない、呪いがそこで解けたのかなあって思った。赫い月にたどり着くための子孫ではなくて、ちゃんと、自分の孫として愛おしく思えたのは、たぶん呪いが解けたんじゃないかなあと思いました。妄想です。あすかちゃん、たぶん年齢設定的には自分と近いものを感じる。

 

Bくん以外のキャストさんも、まさに鎬を削るかのような演技が素晴らしかった。誰もが追い詰められ、誰もが正しいと思い、誰もが正解を知ることはなく命を落としていったあの時代を、とてもセンシティブに、しかし力強く表現していたなあと思います。所々に「ゴドーを待ちながら」の要素*1も散りばめられていました。ただわたしにはあれが何を意味するシーンなのか理解が及びませんでした…誰か教えて…

シュタゲとハルヒを見たあとの頭だと、「これは違う世界線の話で、トウゴのいる世界そのものがトウゴの妄想で、つまりトウゴは妄想が生み出した存在なので実在しなくて、本当はケンジさんとジロウさんが待つこの世界が現実世界なのか…?祐子様がトウゴの妄想の産物なわけだし、トウゴは世界を創り出した、つまり神か何かなのか?わたしは妄想が生み出した人物の妄想を見ていたのか?」とか思っています。「ゴドー」→「ゴドウ」→「ゴトウ」→「トウゴ」っていう自説が正しいのなら、「ゴドー」=Godot=GODとも言われているわけだし、トウゴ=神っていうのも当たらずとも遠からずだと思うわけでした。ん~わからん!哲学だ!まさに不条理演劇だ。なんていうか、物語は見えているのにその外観が見えてこない、気分的にはフランツ・カフカの『変身』を読み終わった後みたいです。ファンタジーだからどんな設定でもあり得るし。

 

赫い月が明確に何をあらわしていたのか、一回では理解できていません…不死身の宇宙飛行士は約束、というか「妄想」そのものなのだろうか。ああ~頭が足りない~~~~~~~!あと二回見てわたしは理解できるのでしょうか!

お恥ずかしながらあまり考察することが得意ではないため、あっちこっちに話が飛んで行ってしまいました。とりあえず初演を見た感想でした。

 

物語には関係ないけど、終演後ロッカーで荷物整理していたら、観に来ていたAくんがすいーっと真横を通り過ぎていってさすがに動揺しました。Aくん不意の遭遇率高すぎてマジ無理です、会うときは心の準備させてください。*2

 

わたしのこのレポートでご興味を持った方がいらっしゃったらぜひ観に行ってください…!たぶん生で見た方がずうっといいものを得られると思います。ゴドーを待ちながらばりに解釈を受け手に任せているところがあるので、ぜひ自分だけの赫い月を、会場で見つけてください。

*1:ケンジさんとジロウさんのシーンはまんまゴドー~でしたね

*2:出張帰りの飛行機がかぶったアレ